試験成績証明書に思いを馳せる

時事通信が公開していました。(公開していいんかな)
http://www.jiji.com/jc/p_archives?id=20080201224042-5899811&g=pho


(クレーム現品)という書き方がなんとも哀愁。22日に受け付けて、31日報告っていう時間のかかり方がもういろんなことを想像してしまって涙無しには見れません。
あと、試験項目はメタミドホスだけなのと、サンプルが未調理品残品と読めるのでアセフェートの線は薄いのかも、と感じました。

妄想ストーリー

22日受付で試験室にサンプル到着が23日、先に試験の妥当性確認をして、24日に実サンプルを分析、で結果見たのが25日、クロマト見た担当者が「やべっすよめっちゃ出ましたよorz」って真っ青になって希釈して測定して濃度確定で対応ミーティング緊急招集。
週明けて28日は残サンプルで再分析したり、試験液を違う測定方法で確認したりスーパーで買ってきた餃子にメタミドホスの試薬を薄めた溶液を150ppm分くらい入れて分析して、29に試験結果に問題なしの報告、30は役員も巻き込んでデータの確認、31日にようやく証明書発行っていうストーリーでどうだろう(あくまで想像だから信じないでね。土日も働かれたかもしれないし)。

補足

通常クレーム品の場合農薬検査しても出ないか痕跡*1程度で、稀に検出するけど基準内といったところじゃないでしょうか。
たぶん分析に時間がかかり過ぎたという批判も出るでしょうけど、日本の通常の分析機関で「残留」検査の場合、130ppmという異常値が出た場合の対応は速さと正確さはどうしたってトレードオフなのでこればっかりはしょうがないと思います。肩を持つわけではないですが。


アメリカの国防省とか国土安全保障省みたいなとこで有機リン系の化学テロをまず疑ってたら速攻でできるのかもしれないけど…。

*1:ピークはあるけど検出限界以内、という感覚はたぶん一般的にはわかりにくいんだろうな

混入濃度キター!

ギョーザ被害、殺虫剤は異常な高濃度・検疫基準の100倍超す


 中国製冷凍ギョーザによる中毒問題で、千葉市の「コープ花見川店」で昨年末に購入されたギョーザから、濃度130PPMの有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出されたことが1日、分かった。生活協同組合連合会コープネット事業連合さいたま市)が外部の検査機関に検査を依頼して判明した。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080201AT1G0101K01022008.html


NIKKEINETで濃度報道ありました。ppmが大文字表記なのはご愛嬌。
さっきさくっとググったところ、メタミドホスのNOAEL(無毒性量:ぎりぎり「毒」にはならない量)は0.03-0.04mg/体重kg/dayだそうで*1体重60kgの人を仮定した場合、0.03mg×60kg=1.8mg。
<注:NOAEL間違ってました…0.3mg/kgという指摘。なので以下の計算は頭の中で補正してください orz >



NOAELはあくまで敷居となる数値なので(たぶんコリンエステラーゼという酵素の活性が下がるかどうかのぎりぎりの量)、大の大人が倒れるほどであるなら、どれだけ厳しく見積もってもそこからさらに数倍くらいは多めに摂取をする必要があります。
用量-反応曲線*2がどうなのかわからないのでここらへんはなんともなんですが、仮に危篤域をNOAELの10倍とすれば*318mgの摂取を必要とします。
餃子が一個15gとすれば、検出量の130ppmは130μg/gなので、0.13mg/gと同じで、一個あたりのメタミドホス量は0.13×15=1.95mgなので、報道されているような、「1個2個食べて即昏倒する」事態になるほどの量なのかな、という感じがしないでもない。
まあ、感じでしかないのですが。


ちなみに通常の残留検査の基準値は、NOAELからさらに100倍程度厳しく設定されています。(NOAELは大体動物実験の数値なので、動物→ヒトの「種の差」が10、ヒト同士の「個人差」が10の安全係数を掛け算して100)
なので判りやすく書くと、


今回の汚染量>>…>>NOAEL>>>>…>>>>たまに基準を超えて話題になる量>残留基準>>普通の野菜の残留値



ただ、その分析をした時に餃子を10個まとめてmixして検査したとして、汚染されていたのが1個だけだった場合は単純計算で10倍に希釈されたことになって見かけの濃度は下がりますので、その場合は同じパッケージのものを食べて、非汚染の餃子を食べた人は大丈夫だけど、汚染されている餃子一個食べた人は危篤という今回の事態も考え得ます。
餡とか打ち粉とか混ざっているものや混ざりやすいものの場合はどうやっても拡散してしまうので、そこまで「尖がった」汚染は考えにくいんですよね…
ま、当然原材料由来の残留農薬ではありえない結果です。正直同じ混入量の汚染であれば白菜や小麦粉に残留しててくれた方が危害という点では誰も被害なく、というか誰も気付かずにすんだはずなんですが。


あと、この濃度で非意図的混入がおこっていたとすれば、現地工場の作業員は必ず暴露しているはずなので必ず体調を崩している人がいるはずです。そこらは立ち入り調査で明らかになるでしょうけど。

その他感じたこと。

  • テレ朝報道でメタミドホスを「特定の研究機関だけが保有」みたいな言い方してて「おぉ、うちの職場はトクテイノケンキューキカンというそんなカッコイイ組織なのか!」とか思った。実態は悪のそsうわだれだおまえやめrわわじぇじゃ;jf;ふじこえわb
  • ホウレンソウのクロルピリホスの残留事例とは全く異なるケースなのでいい加減に農民連の方とかを呼ばずに、科捜研とかの鑑識系の知識持ってる人呼んだ方がいいと思います(夜のzeroでは出てた)
  • メタミドホスの試薬を映すのが流行ってますが、Riedel De HaënかDr. Ehrenstorfer(両方ともドイツのメーカー。国内では日本の試薬会社が代理店になって販売してる)製のばっかり出てうちの職場にあるような和光純薬とかのが出てこないのってやっぱり国内の可能性を否定した印象つけたいのかなとかちょっと思ってみたり。
  • 表示ウォッチャーの垣田さんが朝「とにかくメーカーは一刻も早く検査をして下さい。メタミドホスだけで良いんです!」と力説していましたが、この人はやっぱり表示だけで検査のことは明るくないのだなと思った。通常実施されているルーチン検査では、サンプルは殆ど加工されていない農畜水産物ばかりなので、どこの検査機関も加工食品、それも最終形態品の農薬検査なんてしたことないので「この検査結果は本当に正しい数値を出しているか?」「この餃子で正しい結果が出たからといって、あの餃子でもその餃子でも正しい結果が出るのか?」といった検査工程や条件の確認(バリデーションといいます)作業が必要です。いやね、数値出すだけならやれと言われればできるんですけど。ここらへん、垣田さん以外でも大学の人とかって全然わかってないんですよね。こないだの食品衛生学会でもぼやいてる方おられましたが。ていうかメーカーも当然動いてて問い合わせはじゃんじゃん来るし、各検査機関の担当者はあれからうちに帰れてない人も多いと思いますけど誰も評価してくれてないのでお願いですから皆さんせめてご自愛ください。
  • 正直特需っぽい検査業界ですが「農薬の検査してください」「安全性証明して下さい」という問い合わせに頭を悩ませていると思います。農薬といっても何百項目あって、検査方法も色々あるし。安全性証明?それ悪魔の証明って言うんだよwみたいな。
  • 昨日のNHK9時のニュースで双日とかメーカーさんの担当者が出てきて件の工場の衛生状態について説明してて、個人的には「正直国内の地方中小工場よりきっちりしてるかも」って思った(逆に厳しすぎたのかもしれん)。でも直後に中国事情に詳しいとかいう人(大学の助教さん)が「中国では一般的に管理が甘く…」ってそれどんな藁人形ですか。
  • さっきFNNのニュースで「工場の視察でメタミドホスは見つからなかったが、元従業員の話では工場内でねずみ取りのテープを使用したことがあり…」って言ってた。どないしろと。餃子にねずみの毛や糞が入ってて騒がない消費者ばっかりならそれも使わないでいけるだろうけどね。
  • メディアの人は濃い薄いどころか、「濃度」と「量」も理解できてないっぽい
  • 中国の質検総局の検査で検出しなかったときに「中国で検査したんでしょ。出ないよw」みたいな反応がお約束とは言え出てたのがなんというか残念。(結局東京都でも出なかった)実際のところ質検総局のレベルがどうかはわからないけど、否定する材料は「中国だから」ではなく例えばISO17025とかGLPなんかの国際認証基準とかで判断してくれないと世界中の分析屋が涙目です。
  • JTフーズの国内工場品とかも撤去が相次いで、まじめに作ってた提携工場の中の人とかスーパー行ったらショックだろうなあ、カワイソスと思った。冷凍品だからほとぼりが冷めたころにバックヤードから出して並べれば済むとはいえ。
  • 店頭張り紙の「安全が確認されるまで販売を中止します」ってほんとは「皆さんが忘れるまで」だと思いますけど。安全証明なんて遺伝子組み換え食品はともかくスーパーの食品全部できてないぞ。

なんか納得できたblogはこちら→農家こうめのワイン

ところで残留農薬の検査ですが、一般の方はこれがどのように行われるか知っていますか?どこかの大学の研究室に食品を持ち込めば出来るんじゃないか、程度の感覚ではないかと思います。検査自体も、食品を何かの機械に押し込んでスイッチを押せば数分でピッと出てくるとか・・・そんなものではないです。
 自分も数はうろ覚えなのですが、実は残留農薬検査が出来る公的機関は日本全国でも十余りしかありません。普通の大学や保健所に持ち込んでも出来ません。もともと機関の数が少ない上に、最近は安心にうるさい食品事情の中、残留農薬検査を依頼する業者が増えていて検査機関はいつも予約でいっぱいいっぱい。普通に申し込んだ場合、結果が出るのに一ヶ月かかるなんて事はざらなのです。

http://ameblo.jp/vin/entry-10069459117.html


一応勝手に補足させていただくと、大学の研究室でも機械(ガスクロマトグラフGC)さえあればメタミドホスの分析自体はできます。数値は出るという意味で。でもそれは、たとえばコンロと包丁と食材があれば料理人になれるとか、電卓があれば会計士になれるという次元の話なんですよね。
上にも書きましたが、農薬検査は大体野菜そのものを対象としてきたために加工食品を分析する際のノウハウがあまりありません。分析で重要になってくるのは機械にかけるより前の精製段階、つまり「いかに測定したい物質だけにするか」という点です。これが甘いと他の成分(農薬や添加物だけでなくニラの組織だったり豚肉の成分だったりもうありとあらゆるモノですが)にも機械が反応してしまって正しい結果が出なかったりして、これをいかにかわすかという部分が肝心になってきます。分析ごっこだったら餃子をすりつぶしてその汁を機械に注入すればよいのですが、実際にやってしまうとその機械はたぶん二度と使えなくなります(笑)
ただ実際に分析ができるところはもっとあります。各都道府県・指定都市では地方衛生研究所がありますし、メーカー・流通の検査センターもあります。公的機関(登録検査機関について・厚生労働省)だけができるわけでもないですが、結果を証明として信頼して使えるかどうかという条件を設定されているという違いがあるくらいでしょうか。
登録検査機関リストも公開されていますが、理化学検査の、しかも農薬検査までやってるところは確かにあまりないでしょうね。


検疫所とかにも取材入ってますが、どこかの報道機関がきちんと試料採取→前処理→精製→測定→解析までちゃんと順を追って説明してくれたら惚れるのにと思ってるわたくしですた。

*1:http://www.inchem.org/documents/jmpr/jmpmono/v90pr11.htm

*2:どれだけの量を摂ればどれだけの反応が出るかのグラフ。だいたい山の裾野から山の頂上までを横から見たような形

*3:10倍で危篤になるようなら散布者の健康被害が大変なことになるので農薬として商品化されることはないですが、あえて厳し目にしてみました

冷凍餃子からメタミドホス

子どもさんが巻き込まれて痛ましい。皆様はやくよくなって下さい。


さてさて、きっと今頃各保健所・地方衛研で罵詈雑言の数々が唱えられていることだと思いますが、冷凍ギョーザの輸入量とか裾野を考えて、被害者の数が(今のところ)明らかに少なすぎるんですよね。
厚生労働省発表資料で、輸入届出13t×2で被害者十数人というのは、農薬残留というより異物混入に近い見方をするべきでしょう。


もちろん当然今後増えるはずだとはいえ、メンタル原因での下痢・嘔吐やクレーマーも増えるでしょうから、データの精度(というコトバが適切かどうかわかりませんが)は落ちてくるので、なんとも言えないところではないでしょうか。


正味のところ、なんらかの管理ミスで原末みたいに高濃度なものがどこかに付着したか、あるいは悪意を持った混入かというところではないかと思います。(通常の農薬残留であれば、餃子のあんを練る時点で当然希釈・拡散していく訳で、重篤な被害事例が起こることは考えにくい)
正直、通常の輸入時検査では理化学としてサイクラミン酸・TBHQ程度をやってるかやってないかというところで、残留農薬検査は当然スルーだったと思います。
もちろんピンポイント汚染であれば抜き取りでの残留農薬検査ではカバーできないですし、ポジティブリスト制が導入されたと言っても全ての加工食品に全ての農薬の検査を実施することは今の検査屋さん業界では到底できることではなくって(農薬だけで800種程度、動物用医薬品に至ってはいまだ分析法すらないものも多いし、それを全てのロットで実施するのは)メーカーの管理を徹底するより他対策はないでしょう。
もちろんこれは中国に限らず、他の国のものでも、国産のものでも同じことが言えますが。


とにかく、いやーな、心地悪いニュースです。
ともあれ、マスコミさんには落ち着いた、かつ正確な報道を望みたいです。*1
それから検出したのが県警ということでしたが、なんで地方衛研とか保健所でなく県警の検査だったのか(有機リン中毒で事件性が高いと思って食中毒として処理しなかったのか)、アセフェート(国内登録農薬で、分解されてメタミドになる)の可能性はどうなんだろうとか、いつも報道されないけど検出濃度はどうだったのかとかも報道してくんないかな…


検査屋としては「中国産食品は全て検査する」とかマスゾエさんが言い出さないことを祈りますが…産科どころじゃない焼け野原になっちまうっすよ。検査したところで完全ではないし、訴訟リスク相当高い案件であります。


とりあえず、しばらくは業界のヘッジという意味で冷食餃子食べる日々にしようかな。

*1:おそらく国産のものも含めて冷食業界に風評被害が出るでしょうね

iPS細胞樹立と適切なレギュレーションのあり方とロビー活動について。


一昨日だらだらテレビを見ていたら、偶然報道ステーションで山中教授のニュースを見て「やべえ!すげえ!」連呼していたのですが、そういうウラがあったのですね(ウラってなんだ)
てかテレ朝、「世界初の発見」って言っただろ。樹立だから。


ところで、彼のTimesのインタビュー内容が(id:o-kojo2さん邦訳素敵)非常にかっこいいのです。

日本の幹細胞研究に対する政府の態度には2つ大きな問題がある。まず、一つの幹細胞に関する実験のたびに500ページもの書類3部を提出しなければならない。これを書くのに1カ月、さらに政府の審査に1カ月、これでは英国のライバルがその間10回以上実験できてしまう。本気で競争しようと思ったら、研究者を一人首にして代わりに事務員を2人雇わなければならない。だからほかの研究者が、公務員仕事の代わりに実験に集中できるよう、幹細胞を人工的に作る方法を見つけたんだ。

京大の山中伸弥教授かっこよす - おこじょの日記">京大の山中伸弥教授かっこよす - おこじょの日記

http://d.hatena.ne.jp/o-kojo2/20071121#p1


しかし、はてブが「官僚クソ!」みたいな流れになっててちょっとまいのりしいな感じがしたのですが*1、問題は「だから官僚は能無しなんだよ!」っていえるほど簡単なことじゃないんじゃないでしょうか。
現実として、幹細胞となってくると倫理面の問題があるので、インフォームド・コンセントだとかの確認が必要だし、当然それに付随して情報管理のチェック、あるいは一般の研究と同じく、研究員の安全衛生は大丈夫か、論文捏造はできないかといった研究室の運営上の部分や、研究資金の管理、科研費ドロしてないかといった経営的な部分の確認は誰かがする必要が絶対にある訳ですよね。(シロート考えなのでもっとチェックポイントはあるはず)


そこをふまえた上で、「じゃあ500p*3の書類はどのくらいの分量が妥当なのか」といった落としどころを適切に決める機構が存在していないのがもうよろしくない。断じてよろしくないのです。
障壁をあまり高くしすぎると「うちの金自由に使ってやってくれていいよ、ただし教祖のクローン作ってね」っていうどっかの宗教団体とかが寄ってきたりしたらどうするんだろう、といらぬ心配までしてしまうのです。<先日NHKでヤクザマネーに吸い寄せられるベンチャー企業経営者とか見たもので



そんなことをもやもや考えていたら
科学・技術は日本の生命線…のはずだけど - 赤の女王とお茶を http://d.hatena.ne.jp/sivad/20071121/p1

なぜならば、ここから先は生命科学内の各分野はもちろん、医学、薬学、化学、工学そして経営や法律政策まであらゆる分野の連携にかかっているからです。理系も文系もない。日本が最も苦手とする、そしてこれまで何度となく失敗してきたやり方ですが、そろそろマジメに考えたほうがいい。

http://d.hatena.ne.jp/sivad/20071121/p1


というのを見て溜飲を下げた訳です。


うちの食品分析分野でも、こないだ行政から出たガイドライン(新しい試験方法を作ったり、厚生労働省通知のメソッドを改変した場合にそれが本当にちゃんと分析できているかの確認方法)をめぐって、中小の現場的にはルーチンやりながらこんなの対応できなくね?とオロオロしているのですが。*2
下手したら公的責任の大きい公益法人が開発している間に「うちこれしかできませーん」っていう分析業者が幅をきかせることになるんじゃないかなあとか嫌な予感までするのはネガティブすぎますかね。


結局どうも科学とか技術とかの分野において、消費におけるユーザサイドまでにメーカーテストをさせているくらいの横暴がまかり通ってるんじゃないのかな、という気がいたします。
例えば、車を買った時に時間降水量30mmのところを150km/hでハンドル切りながらブレーキかけてスリップせずに止まれるかを全ての購入者にテストさせるような感じでしょうか。
それに対して、「いやいや、とりあえず全部のランプ問題なくついて、冷却水もオイルも入ってて、ちょっと動いてみてブレーキ効けばとりあえず運転免許持ってる人間が制限速度とか守って走る分には大丈夫じゃないの?」っていうシステムが存在しないし、下手に言うと潰される
HACCPにおけるCCP(重要管理点)みたいな部分を社会、あるいは分野ごとに確立して共有できないものでしょうかねえ。


とかそんなことをつらつら考えていたので、さっきid:sivadさんのBTJジャーナルの文章読んでAAASウラヤマシスと激しく思いました。
ロビー団体欲しいなあ。行政にフィードバックしてえなあ。


とにかく、原則を振りかざしてリソースは投下せず、実際の運用はそれぞれまかせ、問題がでたらそこの責任ってそれ何てSIerよ?状態がいろんな分野にあって、それに現場から折衝するシステムがない。問題を現場が抱え込まざるをえないから、下手な人はダメになるし、ちょっと上手な人は賞味期限とか耐震強度の偽装みたいなことをして、一番上手な人はできることしかしない、というセカイになってしまうんじゃないでしょうか。*3


「全部きちんとヤレ!」って言うのって、結局「何もしなくていい!」と同義なんじゃないかと思える今日この頃。
いっぺん焼け野原になればいいんじゃね?って思うことが最近大杉。シニカルなの嫌いだったのに…orz

追記

id:uneyamaさんが実際のレギュレーションについて
詳細なエントリを書かれてました。
いつも勉強になるなあ(感嘆)


鷲田さんの意見というのも読みたいのですけど、どこかわからない…

*1:なんというか、官僚もそれを批判する人もお互いに原理原則にしがみつきすぎてんじゃないですかねえ。

*2:つか大体よぉ、通知の方法はそのままだと脆弱すぎるし、てかそもそも通知とか告示の分析法だって誤字脱字しょっちゅうなのなんとかしてくんね?とかも思うのですが。

*3:病院は原則受け入れよ。聖地・福島のニュース - NATROMの日記 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071120#p1 も関連して

食育(笑)

食育(笑) 地産地消(笑) 顔の見える農業(笑) ミラクルエンザイム(笑) 食卓の裏側(笑) 食品の裏側(笑) サラサラ(笑) 白いんげん(笑) 砂糖は白い麻薬(笑) バナジウム(笑) スローフード(笑) キレる子ども(笑) 紅茶キノコ(笑) アルカリ性食品(笑) 定年帰農(笑) フードファディズム(笑) 木酢(笑) ゲルマニウム(笑) 無添加(笑) アスパルテームの害(笑) みのもんたが言ってた(笑) あるある(笑) ミートホープ(笑) 有機(笑) ロハス(笑) ホメオパシー(笑) SOTOKOTO(笑) 毒菜(笑) 遺伝子組み換え食品(笑) 牛乳有害説(笑) 生食(笑) 天然(笑) サプリメント(笑) レメディ(笑) 毛髪の水銀検査(笑) ダイオキシン(笑) 週末は農業(笑) Oリングテスト(笑) 健康に気を遣うあなたへ・アセロラブルーベリー黒酢カクテル(笑) チャイナフリー(笑) マラカイトグリーン(笑) 波動(笑) アメリカの陰謀(笑) 大企業の陰謀(笑) 政府の陰謀(笑) 


スイーツ(笑)





久しぶりに書いてみるのでブレスト代わりに(なんでだ)。
しかしこっちはケータイ小説より自費出版っぽいなあ…

クローズアップ現代

NHKクローズアップ現代で中国製品の安全性について特集。


ずっと思っているのは、中国製品をボイコットするんじゃなくって、中国の中でちゃんとしているところをただ正当に評価することをもっと重視していかないとまずいんじゃないかなあと。
抗菌剤の使用を抑えて、漢方とかで残留を抑えた飼育をしている(ただし漢方というのも手放しに褒められない気がするけど)養鰻業者に支払う代金が変わらないというのが、ナントカならんのだろうかと思った訳で。


きちんとしているところを正当に評価できない消費者に対して、供給側がきちんとすることを求めるのって必ず綻びが出てくると思う。別に「人間皆必ずいつかは低きに流れるのだ」みたいなことは思わないけれど。


中国製品に限らず、例えば柏崎刈羽の原子炉でも「作る場所もプラント設計も甘かったけど、あれだけの地震でとりあえずよくもまあ炉を持たせたな」とか、コープさっぽろの自主検査の鰻から抗菌剤検出でも「原料の生産・流通管理が甘かったけど自主的にチェックしてよく見つけたよね」とかっていう声がもうちょっと出て、少しでも現場の人間と同じ側に立つ人間(肩を持つとかそういうのではなく)が増えた方が結果として安全な世の中になるんではないかなあと最近ずっと思っているのですが。


まともなサプライヤーをダメにしない
ミスを隠させない(頭ごなしに否定しない)
同じ地平で話をする


とかなんか育てることをもっと重視した方がいいと思うのですが。もやもや。