中国産ピーマンからピリメタニル検出

検出だそうです。登録がないので一斉でひっかかったんでしょう。

中国産ピーマン:基準値超える農薬検出 厚労省が検査命令

 厚生労働省は20日、中国産ピーマンから農薬(殺虫剤)のピリメタニルが基準値を超えて検出されたとして、国内の輸入業者2社に対し、食品衛生法に基づく検査命令を出した。輸入業者は今後、自ら安全性を証明できなければ輸入できない。今年1月と6月、2社が中国から輸入した冷凍食品のピーマンから、残留基準値(0.01ppm)を超える農薬(残留値0.02〜0.04ppm)が2件見つかった。市場には出回っていない。

毎日新聞 2007年6月20日 19時56分 (最終更新時間 6月20日 20時30分)

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070621k0000m040066000c.html


「安全性を証明」というのは不正確な表現。残留値が0.01ppm未満であれば良いのであって、安全性を(ある程度だけど)証明した作物なんて過去にGMO作物くらいなものしかありません(笑)


で、はダでコメントされていたid:navi-area26-10さんに横槍。

基準の2倍から4倍の残留って実際どうなんすかね。

http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070620/1182348046


残留農薬については、財団法人 日本食品化学研究振興財団というところがデータベースを構築されております。↓
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/MRLs-n


今回のピリメタですと
http://m5.ws001.squarestart.ne.jp/zaidan/agrdtl.php?a_inq=56100
となっていて、ピーマンにはもともと基準値が設定されていないので、昨年導入されたポジティブリスト制度に基づいて、一律基準0.01ppmを超えたために食品衛生法違反として処理されたと思われます。
ピーマンがもしもうちょっとマイナーな作物で、「その他なす科植物」に分類されていたとすれば、基準が2ppmとなりますので、今回検出された量の100倍から50倍のピリメタニルを含んでいてもOKとなります。
このニュースで感じ取っていただきたいのは「やっぱり中国コワイ」とかそういうんではなくって(そもそも農薬の残留基準なんて作物ごとに数十から数百倍は余裕で差があるから)、単に輸入食品はなんだかんだ言って一応それなりにチェックされてるんだなという感じでよろしいかと思います。よ。


そしてこうして国民の「食の安全安心」という大合唱のもと、科学的に見て全く問題のない食べ物を行政の決めたラインをもってもったいないと微かに思ったり思わなかったりしながら廃棄指示する役割を担っているのが我々のような分析屋さんなのです…*1


関係ないけどミートホープ社の食肉偽装と目される事件、血液を使って着色してたとあっちゃ今一部で話題のエホ証の皆さんの怒りを買うだろうなあと思ってみたり。


追記・yomiuriも出てた→http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070620i212.htm
asahi.comより若干詳しくて若干正確かな。

*1:ま、大事故を未然に防ぐためのコツコツとした信号無視の取り締まりみたいなもんでしょうかね、といったら美化しすぎかな