マイコトキシン

真菌類(中でも主にカビ)の産生する比較的低分子の毒素。
カビ・キノコなどの真菌の接頭語myco-と、毒のtoxinで、カビ毒を総称してmycotoxinと言う。

生物の生命維持に絶対必要である化学物質(一次代謝産物)ではなく、限られた生物種により特定の条件で生産され生命維持に直接関係しない化学物質(二次代謝産物)である。
ある意味抗生物質と兄弟みたいなもの。

  • 主なマイコトキシン
名前 主な産生菌(属) 主な汚染食品
アフラトキシン Aspergillus 穀物、香辛料、チーズ
ステリグマトシスチン Aspergillus 穀物、豆類
オクラトキシン Aspergillus 穀物、ブドウ、
黄変米毒素(ルテオスカイリン等) Penicillium
パツリン Penicillium リンゴ
ニバレノール Fusarium 麦類
デオキシニバレノール Fusarium 麦類
T-2トキシン Fusarium 麦類
ゼアラレノン Fusarium 穀類
フモニシン Fusarium トウモロコシ
エルゴタミン Claviceps(麦角菌)

よく見かける黒カビはCladosporium属でマイコトキシンは報告されていない。

ただし、パツリンは国産りんごから発見されているし、デオキシニバレノールに至っては輸入小麦より国産小麦が多く出ている結果(熊谷ら, H14厚生労働特別研究報告書)があるとされている。系統だって調査しにくい国内品に意外に注意した方が良いかもしれません。

参考URL
かびとかび毒(国立医薬品食品衛生研究所の小西さんという方のpdf資料かなーりわかりやすいです。うちの会社の新人研修のスライドよりわかりやすい(苦笑)
IFST:The Institute of Food Science & Technology (英語)